保育園の頃は、娘にとってバレンタインデーなんて全く関係ないイベントだった。それが小学生になるや否や、友チョコなんてものが早速開始に。デコレーションだけ楽しそうにやる娘と一緒に、大量のプレゼント用チョコレートを作成したのが去年のこと。友だちと公園で待ち合わせして交換したり、バレンタインデーってこんなのじゃなかったような、と内心思う父親をよそに、娘は初めてのイベントを堪能したようだった。
一年経過して今年のバレンタインデー前夜。チョコレート作る、という娘と夕飯後に一緒に作成開始。今年は誰にあげるの?と何となしに尋ねると、
「んーとね、○ちゃんと○ちゃんと……○くん」
なんと男の子の名前が出てきた。へえ、今年は男の子にもあげるの?と聞くと、
「だって○くん優しいんだもん」
ほおおおお。もうじき三年生になってもまだ「パパと結婚する」と言い続けている娘もついに男の子か……と思ったのを察したのか、娘が「好きだからあげるんじゃないよ、優しいからあげるんだからね、ラブとか言わないで」と念押ししてきた。わかってるよ、仲良しだからあげるんでしょ、というと、安心したように「そうだよ優しいの、あと計算が早くてね……」と○くんの話を嬉しそうに。
客観的に見ても好意を持っているように見えるんだけどなあ、と思ったものの、口に出すと怒り出すのは間違いないので、うんうんと黙って聞いておいた。お陰でチョコレート作りは平穏に終了。
娘は作ったチョコレートを翌日学校に持っていき、無事に渡せたようだ。よかったね。
しかし今回のことで一番意外だったのは、娘が男の子にチョコレートをあげる気になったことではなく、それを聞いた私が実に平穏に娘の成長を喜んだことだった。自分で言うのもどうかと思うが、娘が生まれたその日から、「○○くんが好き」とか言われた日にはどんなにショックを受けるのだろうと恐れていたのだが、全くそんなことがなかったのが我ながら驚きだ。
娘の成長と併せて、私も多少は成長したということだろうか。
(でも結婚するとか言われたら泣く。間違いなく泣くと自信を持って断言出来る)



