2008/12/25

まくら。

 今より小さい頃から、娘は一緒に寝ている私の枕の下に片腕を差し込んで眠るのが好きだ。
 絵本を読んでもらったりお話を聞かせてもらったり(最近の娘のお気に入りは、自分を登場人物にしてもらって即興でお話を作ってもらうことだ)している間は普通に仰向けに寝ているのだが、いよいよ眠くなってくると私の方を向いて横になり、そのまま片腕をずりずりっ、と枕の下に差し込んで目を瞑る。

 今日もそんな感じだったので、君は前からパパの枕に腕を入れるのが好きだよねえ、というと、娘はなんだか照れたような顔をして言った。

「だってこうすると、パパが手を温めてくれるみたいな感じがして安心するんだもん」

 どうもありがとう。きっと、暖めてもらっているのは君ではなくてパパの方だと思うよ。

四歳のクリスマス。

 字が書けるようになった娘に、今年はサンタさんへのプレゼントの希望を手紙に書いてもらった。まだまだ鏡文字が多いので、「さんたさん」は「ちんたちん」になってしまうのだが、そんなのがみられるのは間違いなく今だけだろうから、それはそれでとても楽しい。

 子供が寝ないとサンタさんはこないとわかっている娘は、父親に何度も「サンタさんが帰ったら起こしてね、すぐ起こしてね」とお願いしてから眠った。きっと、ものすごく、ものすごく、ものすごくわくわくしながら眠っているんだろうなあ、と思うと、自分の子供時代を思い出してついにこにこしてしまうのと同時に、なんだかとってもうらやましい。

 今朝、普段より一時間ほど早く「サンタさん帰ったよ」といって起こした娘は文句も言わずに跳ね起きると、ダッシュでプレゼントを確認して歓声を上げていた。このまま一日一緒に遊べたらいいんだけどねえ、と思いつつも、一通り遊んだところで切り上げさせて保育園に向かう。何度も何度も、「今日帰ったらこれで一緒に遊ぼうね」と約束をして。

 夜、たくさん遊んだあとの風呂上がり。もらったぬいぐるみを「風邪引いちゃうといけないから」と普段自分が眠る場所に二重に布団をかけて寝かせた娘は、父親の場所に潜り込むとすとん、と眠りに落ちた。

 よかったね、きっといい夢が見られるね、と思いつつ、さて寝る場所をどうしようと思案に暮れる父なのだった。

2008/12/24

約束。

 忙しくて色々あった十二月もなんだかもう終わり頃。気がついてみたらあっという間に今年もクリスマスイブだ。あっという間だったような、とてつもなく長かったような。

 さて、年末恒例の保育園の保護者面談があったので半休を取っていってきた。うすうす想像はしていたがやっぱり内弁慶の娘の普段の生活を聞いて心配したり安心したり。そんな感じで一通り先生からの話を聞いた後、こちらから気になっていたおやつのことを聞いてみた。

 実は我が家では、娘にまだチョコレートとキャンディやキャラメルなどのお菓子は許可していない。もともとカカオ系の味や甘味料の直接的な甘みがあまり好きではないらしい娘にとってはあまり苦ではないようなのだが、困ったことに保育園のおやつにチョコレートの混じったおやつが出ることがあるようなのだ。
 それがわかったのは、先生がノートに「パパが駄目っていってるから食べられない、と言っているのですが」と(たぶん好き嫌いなのかと懸念して)書いてくれたコメントからだった。娘に話を聞いてみると、時々チョコレートの入ったおやつが出て、そのたびに先生のところに「これは食べられないの、おうちで食べない約束だから」と持って行っているのだという。
 先生に話を聞いてみても、やっぱり娘は生真面目に、両親との約束を守って保育園でもチョコレートは食べていないのだった。友だちが美味しそうに食べているのをみて、食べてみたい、と思ったりもするだろうに。

 そういえば先日、クッキーの中にチョコレートが入っているタイプのおやつを気づかずに食べてしまったことがあったようで、そのときにも娘はわざわざ、帰宅後に「わざとじゃなかったんだけどわかんなくて食べちゃったの、おこんないで」と自分から報告に来たのだった。(もちろん叱ったりせず、自分から言ってくれたことに感謝してから褒めた)

 まじめで、慎重で、恥ずかしがり屋で、石橋を叩いて叩いて叩いてからようやく最後にわたる感じですよねえ、と先生に言われて、なんだか自分の子供時代とかぶるようで複雑な心境になってしまった。本当に、親子って似るんだなあ。

 きっと娘は私に似て、約束は守らなければならないと信じているし、それは約束した相手がそこにいてもいなくても関係ないことも(つまり自分の中の問題であることも)理解しているのだと思う。それはとてもいいことだ。でもそれと併せて、きっと娘は自分自身で基準を作ることがとても不得手なのだろうと思う。父親が随分長いことそうだったように。

 先生が言ってくれたように、約束を守れることはきっと娘の芯になっていくだろう。その一方で、この先娘が突き当たるだろう(父親が突き当たってきた)障害が目に見えるようで、ああそこはそんなに生真面目じゃなくてもいいんだよ、と思ったりもする。でも、周りからなんて言われようと、自分でぶち当たって自分で対処方法を決めていかないと、娘は先に進めないのだろうと思う。

 口も手も出さないで我慢してられるかなあ、と、だんだん娘より自分のことの方が心配になってきたのだった。本当に、子供のおかげで親が育てられているのだと実感する日々。