保育園の時と違って、小学生になった娘は毎日ちょっとずつでも勉強しないといけないし、通学の準備もしないといけないしで、帰宅したからといって一緒に長々と遊んでやるということがあまりできなくなってきた。もっとも娘も成長してきて、小さかった頃(いや今でも小さいが、もっと小さかった頃)のように一緒に遊ぶことが、そもそも段々減っては来ているのだが。
それでも時々は食事も勉強もさっさと片付け、私も急いでやらなければならないことがない、という時もある。
今週の週中、たまたまそんな日があった。なぜか娘は「おもちゃの整理をするから一緒にやって」と言って、私は娘がもう遊ばないおもちゃを選り分けるのを、お喋りしながら横で見ていた。ゴミ袋をもって側に座っているだけなので、あまり「一緒にやって」はいないのだが、それはそれで娘としては満足らしい。
しばらく集中して整理をしていたが、娘が不意に、いいこと思いついたと言わんばかりのキラキラした目で私に話しかけてきた。
「あのね、○が大きくなって子供ができたらね、学校から帰ってくるの家で待っててあげるの。そしたら寂しくないでしょ」
そうだね、いい考えだね、と相づちを打ちつつ、胸がずきずきと痛む。
自分が子供の頃、僕が大人になって子供が生まれたら、自分の子供には絶対こんなことしないんだ、と色々考えていたことを思い出す。娘が言っているのはもちろんそれの裏返しだ。
帰ってやりたいなあ、と思う。しかしその一方で、でも自分は自分で仕事もちゃんとしたいんだ、とも思う。
娘が生まれてからほとんどの期間、定時出社の定時退社を続けてきた。そのためにどれだけのチャンスを見逃したのだろうと思うと、普段は考えないように考えないようにと思っているのだが、それでも、頭が変になりそうになる。
両方得ることはもちろんできない。でも今は、どっちも取れてない体たらくだ。
楽しげにお喋りする娘の顔を見ながら、答えのない問題に悩む。



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